Netsu-Mate│倉庫・工場向け熱中症対策メディア

倉庫に空調設備がない

2026/02/15
目次
河野氏イラスト画像
解説者:河野
暑熱環境・熱中症対策の
プロが解説

これまで累計400社以上の過酷な暑熱環境に向き合い、
改善をサポートしてきた「株式会社五常」代表の河野が、現場目線で分かりやすく解説します。

倉庫に空調設備を導入できない現場では、毎年の猛暑が作業者の安全確保や生産性維持の面で大きな課題となっています。
本記事では、空調設備がない倉庫の実情や想定されるリスク、暑さが発生する主な原因に加え、現場での対策や製品について解説します。

倉庫に空調設備が
導入できない理由とは?

倉庫への空調設備の全面導入が見送られる主な理由として、投じた費用に対して十分な効果が得られにくいと判断されやすい点が挙げられます。

倉庫は天井が高く、出入口や開口部が大きい構造が多いため、冷気が滞留しにくい環境です。その結果、必要とされる冷房能力が大きくなりやすく、設備規模や消費電力が増加します。

さらに、シャッターの開閉や搬出入が頻繁に行われる現場では外気が流入しやすく、一般的な空調機のみで安定した温度や湿度を維持することが難しくなります。こうした条件が重なることで、「空調を導入しても効果を実感しにくく、設備投資や電気代に見合わない」と判断され、導入が見送られるケースが少なくありません。

空調設備がない倉庫が
抱えるリスク

熱中症のリスク

空調設備がない倉庫では、湿度や屋根・壁からの輻射熱の影響を強く受けやすく、作業環境の温度が上昇しやすいため、熱中症のリスクが高まります。

倉庫は天井が高く、屋根や外壁に金属素材が使われているケースも多いため、日射による輻射熱が建屋内にこもりやすい構造です。さらに、シャッターの開閉や機械設備の稼働によって熱気が滞留し、風通しの悪いエリアでは局所的に危険な高温状態になることもあります。

環境省の指針では、暑さ指数(WBGT)が28以上になると熱中症のリスクが高まるとされています。空調設備がない倉庫ではこの水準を超えやすく、特に夏季の午後や繁忙期の稼働時間帯には十分な注意が必要です。

参照元:熱中症予防情報サイト(https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php)

生産性低下のリスク

暑熱環境は集中力や身体パフォーマンスの低下を招きやすく、ピッキング精度の低下や作業スピードの鈍化、判断ミスの増加につながります。湿度が高く発汗が蒸発しにくい環境では体温調節が難しくなり、休憩後の作業再開にも影響が出やすくなります。

離職率増加のリスク

暑さが常態化した職場では、体調不良や通院、欠勤が増加しやすく、結果として経験者の離職を招く要因となります。

特に物流の繁忙期が夏季と重なる現場では、人手不足が慢性化し、残った作業者の負担が増える悪循環に陥ることもあります。熱中症による労災が一定数発生している状況は、採用時の職場選択にも影響を及ぼします。

倉庫が暑くなる主な原因とは?

空調設備がない倉庫で暑さが深刻化する主な要因は、建物構造に起因する熱のたまりやすさです。金属屋根や断熱性の低い外壁は日射の影響を受けやすく、屋根や壁からの輻射熱が室内へ伝わります。さらに天井が高い構造では上部に熱だまりが生じやすく、床付近でも上方からの輻射によって体感温度が上昇します。

シャッターを開放すると外気の熱が流入しますが、倉庫内の空気が効率よく排出・入れ替えされない構造の場合、場所によって熱が滞留しやすくなります。その結果、常に暑いエリアと比較的温度が低いエリアが混在する「温度ムラ」が生じ、時間の経過とともに固定化することがあります。

一度温度ムラが形成されると、上部にたまった熱気が徐々に作業エリアへ降りてきやすくなり、倉庫全体で熱がこもった状態になります。そのため、作業者は温度計の表示以上に強い暑さを感じやすくなります。

河野氏イラスト画像

解説者:
河野

温度を下げるのではなく、「風」を操るという選択肢を!

「空調が無理なら我慢するしかない」と、諦める必要はありません。
実は「空気の流れ」を変えるだけで、体感温度は驚くほど変わります。
全体空調より初期投資を抑えつつ、熱中症対策・定着率改善に繋がる点は大きなメリット
まずは、あなたの現場条件に合った“できる対策”から検討することが重要です。

空調設備がない倉庫で
実践できる暑さ対策製品

空調服(ファン付き作業着)

作業中に衣服の中へ外気を送り込み、汗の蒸発を利用して身体の熱を逃がす仕組みをもつ作業着が空調服です。

倉庫のように湿度が高くなりやすい環境でも、身体に直接風が当たるため体感温度を下げやすく、無理なく作業を続けやすくなります。

遮熱塗料・遮熱シート

屋根や壁に遮熱塗料や遮熱シートを施すことで、倉庫内に侵入する日射熱を発生源に近い段階で抑えることができます。

屋根裏面への反射材施工なども含め、断熱性が低い既存の倉庫・工場では、比較的早い段階で暑さの変化を感じやすい対策です。

シーリングファン

シーリングファンは、大空間に気流をつくり出すことで体感温度の低下と熱だまりの緩和に役立つ設備です。

高天井の倉庫では、天井付近に滞留した熱気を攪拌して作業エリアへ風を届けることで、発汗の蒸発を助け、暑さを感じにくくします。

スポットクーラー

スポットクーラーは、冷やしたい場所だけを狙って冷却できる局所冷却機器です。

シャッターの開放が避けられない、間仕切りが難しい、室外機の設置スペースが限られるといった倉庫環境でも導入しやすく、即効性のある暑さ対策として活用されています。冷風は作業者の背面から斜め方向に当たるよう調整し、気流と組み合わせることで、より高い冷却効果が期待できます。

倉庫に空調設備がない場合の
解決事例をご紹介!

お悩み解決事例1
事例画像
導入製品:大型シーリングファン
シャッター常時開放で空調NGの現場が一変!
広範囲な風の循環で、
涼しく快適な環境を実現

倉庫の1階はシャッターを常時開放しておく必要があるため、空調設備の設置ができず、扇風機やスポットエアコンによる部分的な対策しかできていませんでした

そこで、五常が展開する倉庫・工場向け大型シーリングファンを導入。現場の作業者にしっかりと風が当たる位置へ設置しました。

その結果、常に広範囲で風が循環する環境へ。体感温度が下がったことで熱中症リスクが大幅に低下し、作業の快適性も格段に向上しました。

お悩み解決事例2
事例画像
導入製品:
大型シーリングファン・遮熱シート
屋根熱に悩む平屋倉庫を、
ファンと遮熱シートのW施工で快適な作業環境に

平屋建ての倉庫で入り口は常時開放されていましたが、構造上どうしても風通りが悪く、現場には熱気がこもりがちでした。
さらに夏場は屋根から降り注ぐ強烈な熱(輻射熱)の影響も大きく、従業員の方々は「暑くて大変だ」と過酷な環境に苦しまれていました。

そこで根本的な解決策として、「大型シーリングファン」に加え、屋根からの熱侵入をブロックする「遮熱シート」の同時施工をご提案しました。

施工後は、遮熱シートが屋根からのジリジリとした熱を大幅に軽減。さらにスマイルファンが空気を大きく循環させることで、涼しい風が循環する状態を作り出しました。「熱を入れない」と「風を回す」の相乗効果により、快適な作業環境へと生まれ変わっています

お悩み解決事例3
事例画像
導入製品:大型シーリングファン
空調予算の壁を打破。
予算内で全区画に風が行き渡る環境を創出

新設の物流センターで、全フロアへの空調導入は予算の都合上難しく「予算は抑えたいが、現場の環境は守りたい」という切実な課題を抱えていました。

代替策として、五常は大型シーリングファンの全区画への導入をご提案。予算内で広範囲をカバーできる点に着目しました。

その結果、全区画に行き渡る風が、空調に頼らない涼しさを創出し、快適な物流センターが完成しています。

関連記事
熱中症対策のお悩みを解消!
運営会社:株式会社 五常
暑熱環境・熱中症対策のプロフェッショナル
とことん親身に。どこまでも正直に。
現場の悩み、自分事として解決します

五常は単なる業者ではなく、お客様の現場課題を背負うパートナーです。
「何でも相談できる」安心感と、「必ず解決する」という執念。
この両輪で、暑熱環境・熱中症対策の課題をスッキリ解消へと導きます。