倉庫の電気代を削減したい
プロが解説
これまで累計400社以上の過酷な暑熱環境に向き合い、
改善をサポートしてきた「株式会社五常」営業部の林が、現場目線で分かりやすく解説します。
熱中症対策として空調を強化した結果、倉庫の電気代が大きく増えていないでしょうか。
本記事では、倉庫における電力の使われ方や電気代が上がりやすい背景を整理したうえで、現場ですぐに取り組める削減策を解説します。
倉庫の電力使用量の内訳
一般的な常温倉庫では、照明と空調が電力使用量の中で相対的に大きな割合を占めており、入出庫が集中する時間帯や、夏季・冬季のピーク時に使用量が増えやすい傾向があります。
一方、冷蔵・冷凍倉庫では、庫内温度を一定に保つ必要があるため、冷凍・冷蔵設備が電力使用の大半を占める点が特徴です。そのため、常温倉庫では照明や空調の最適化が、冷蔵・冷凍倉庫では冷却設備の効率化が、電気代削減に向けた優先度の高い対策となります。
倉庫の電気代が高くなる理由
近年、倉庫の電気代が高止まりしている背景には、国際情勢の緊張や資源価格の変動、為替の円安傾向といった社会的要因があります。ロシアによるウクライナ侵攻以降、世界的に燃料価格が高騰し、火力発電への依存度が高い日本では、その影響が発電コストや電気料金に反映されてきました。
加えて、国内では再生可能エネルギー発電促進賦課金の引き上げや、電気・ガス価格激変緩和措置の段階的な終了など、制度面での変化も重なっています。その結果、企業にとって電気代負担が増えやすい状況が続いています。
これらの外部要因は企業側で直接コントロールすることが難しいため、倉庫内の設備構成や運用方法を見直し、使用電力量そのものを抑える取り組みが重要になります。
倉庫の電気代を削減する方法
倉庫の電気代削減は、日々の運用を見直す方法と、設備投資によって根本的に負荷を下げる方法を組み合わせて考えることが必須といえます。ここでは、比較的すぐに取り組める対策から、中長期的に効果が続く施策まで、倉庫で実践しやすい削減方法を紹介します。
設定温度を見直す
倉庫では熱中症対策として夏場の設定温度を低くしがちですが、必要以上に温度を下げると消費電力量が急激に増加します。まずは現在の庫内温度や外気条件、作業者の滞在人数、稼働時間帯を整理し、エリアや時間帯ごとに適正な温度設定を検討することが重要です。
一般的には、設定温度を1℃見直すだけでも消費電力の抑制効果が期待でき、空調負荷の高い倉庫ほど影響が大きくなります。作業者の健康と安全を最優先にしつつ、余裕のあるエリアから段階的に調整するとよいでしょう。
太陽光パネルを設置する
自家消費型の太陽光発電は、電力会社からの購入電力量を直接減らし、電気代上昇リスクを抑える中長期的な対策です。倉庫は屋根面積が広いため発電容量を確保しやすく、日中の荷捌き作業や空調負荷に自家発電を充当することで、基本料金算定に影響するデマンドの抑制にもつながります。
断熱・遮熱材を活用する
断熱・遮熱対策は、設備更新や運用変更を最小限に抑えながら空調負荷を下げられる、熱中症対策と電気代削減を両立できる基盤的な施策です。大空間で外気の影響を受けやすい倉庫では、屋根・外壁・開口部からの熱流入が室温上昇と空調の過負荷を招きやすくなります。
屋根や外壁への断熱材追加、遮熱塗料や遮熱フィルムによる日射熱の抑制を行うことで、夏季のピーク電力を下げ、同じ快適性をより低い空調出力で維持しやすくなります。
倉庫の電気代を削減したい場合の解決事例をご紹介!
品質向上とコスト削減を両立
チョコレートが溶けないように倉庫内を空調管理しているが、冷え方にムラがあり、一部の場所で商品が溶けてしまう問題がありました。 さらに夏場は、空調負荷の高まりによって「電力デマンド」の警告が頻発。空調が停止してしまうリスクにもさらされ、運用面で大きな課題を抱えていました。
そこで、空調の冷気を倉庫全体に均一に行き渡らせるため、大型シーリングファンを導入。
強力な空気循環によって温度差をならす対策をとりました。
空気が攪拌されたことで場所による温度ムラが解消され、商品の品質が安定・向上しました。
また、空調効率が上がったことで電力デマンドの警告も鳴らなくなり、電気代の削減にもつながっています。
現場の悩み、自分事として解決します
五常は単なる業者ではなく、お客様の現場課題を背負うパートナーです。
「何でも相談できる」安心感と、「必ず解決する」という執念。
この両輪で、暑熱環境・熱中症対策の課題をスッキリ解消へと導きます。
解説者:
林
チョコレートの溶解リスクと電気代の無駄を解消しました
厳格な温度管理が求められるチョコレート倉庫。しかし、空調を入れていても冷え方にムラがあると、品質トラブルや電力デマンド上昇につながります。
以下の事例では、空気循環によって庫内の温度差が解消され、溶解リスクを抑えながら電気代削減も実現しました。
電気代だけでなく品質を守る視点で、今の倉庫環境を一度見直してみませんか。