Netsu-Mate│倉庫・工場向け熱中症対策メディア

倉庫の暑さ対策をしたい

2026/02/16
目次
宇井氏イラスト画像
解説者:宇井
暑熱環境・熱中症対策の
プロが解説

これまで累計400社以上の過酷な暑熱環境に向き合い、
改善をサポートしてきた「株式会社五常」営業部の宇井が、現場目線で分かりやすく
解説します。

倉庫内が蒸し風呂のような状態になり、作業効率の低下や体調面への影響が気になる現場も見受けられます。その背景には、建物の構造的な特性や設備の老朽化といった要因が関係しているケースが少なくありません。
本記事では、倉庫が暑くなりやすい理由を整理したうえで、現場で実践しやすい暑さ対策を解説します。

倉庫が暑くなる理由

折板屋根により
輻射熱の影響を受けやすい

多くの倉庫で採用されている金属製の折板屋根は、直射日光を受けることで表面温度が上昇します。真夏の直射日光下では、屋根表面温度が70℃~80℃に達することもあります。

加熱された屋根からは「輻射熱」が天井面を通じて倉庫内へ放出され、屋根直下の空間は巨大なヒーターに囲まれたような状態になります。

輻射熱は空気温度だけでなく、作業者の身体にも直接作用するため、体感温度を大きく引き上げ、暑さを強く感じさせる要因となります。

熱がこもりやすい構造に
なっている

倉庫は大空間である一方、全体空調が難しく、窓や開口部が少ない構造のため換気効率が低くなりがちです。温かい空気は上昇する性質があるため、天井付近に熱気が滞留しやすくなります。

滞留した熱が徐々に建物全体へ広がり、壁や床のコンクリートに蓄熱されることで、夜間になっても室温が下がりにくい「熱ごもり」の状態を引き起こします。

空調設備が老朽化している

長年使用されている業務用エアコンでは、経年劣化による冷却能力の低下が起こりやすくなります。フィルターの目詰まりや室外機の汚れも、空調効率を下げる要因です。

近年の猛暑による熱負荷は従来の想定を上回るケースも多く、老朽化した設備では設定温度を下げても十分に冷えず、電力コストだけが増える悪循環に陥ることがあります。

参照元:tenki.jp/【速報】今年初 35℃以上の猛暑日が全国100地点を超える 熱中症に警戒を(2025年06月30日)(https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2025/06/30/34376.html)

倉庫内作業の
「暑さ指数(WBGT値)」は
26℃~28℃が上限

厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」によると、倉庫内作業(中程度代謝率)における適切な環境の上限は、WBGT基準値※1で26℃~28℃とされています※2

しかし、対策が不十分な倉庫では夏場に室温が40℃~45℃に達することも。室温がこれほど高い環境では、WBGT値の基準を大きく超えてしまう可能性があります※3

基準値と現状の乖離は、熱中症リスクを高めるだけでなく、集中力の低下やミスを誘発する危険な水準です。

※1気温、湿度、輻射熱を考慮して算出された「暑さ指数」のこと
※2参照元:厚生労働省 職場のあんぜんサイト/表1 身体作業強度等に応じたWBGT基準値(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo89_1.html)
※3参照元:環境省 熱中症予防情報サイト/運動に関する指針(https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php)

倉庫の暑さ対策7選

倉庫の暑さ対策には、作業者を直接冷やす方法から、建物全体の熱負荷を下げる方法まで、いくつかのアプローチがあります。

空調服を活用する

作業者の身体を直接冷却する個人装備として導入が進んでいるのが空調服です。ウェアに取り付けたファンが外気を取り込み、汗が蒸発する際の気化熱を利用して体温の上昇を抑えます。

作業場所を選ばず涼しさを得られるため、移動の多い作業者にとって即効性がある対策です。

冷風カーテンでエリアを区切る

ビニールカーテンやシートで作業エリアを区画し、冷房効率を高める方法です。倉庫全体を冷やすのではなく、人が滞在する範囲だけを管理するゾーン空調により、エネルギーの無駄を抑えられます。

冷気の拡散を防ぐことで、設定温度を過度に下げずに快適な環境を維持できます。

シーリングファンで
空気を循環させる

天井に大型ファンを設置し、ゆるやかに空気を循環させる方法です。天井付近に滞留する熱気と床付近の比較的冷たい空気を混合し、室内の温度ムラを抑えます。

気流によって体感温度が下がり、エアコンの設定温度を緩めても快適性を保ちやすくなります。

スポットクーラーを適所で使う

特定の作業場所や機械の周辺に冷風を送る可動式の冷却機器です。全体空調が届きにくいエリアや強い熱源の近くで有効な方法といえます。

キャスター付きで移動しやすい一方、背面から排熱が出る構造のため、排熱ダクトで屋外へ熱を逃がさないと室温を上げてしまう点には注意が必要です。

遮熱・断熱シートを施工する

天井や屋根裏にアルミ面材などの遮熱シートを施工し、輻射熱を反射・遮断する対策です。熱の侵入口である屋根面に直接アプローチすることで、室内温度の上昇を根本から抑えられます。

既存倉庫にも対応しやすく、空調効率の向上によってランニングコスト削減にもつながります。

遮熱・断熱塗料を活用する

屋根表面に反射率の高い塗料を塗布し、日射エネルギーを反射させて屋根の温度上昇を抑える方法です。金属屋根の高温化を防ぐことで、天井からの輻射熱を低減できます。

工場や倉庫の稼働を止めずに施工できるケースも多く、屋根のメンテナンスと同時に実施できる点がメリットです。

屋根用スプリンクラーを導入する

屋根面に水を散布し、蒸発時の気化熱を利用して屋根表面温度を下げる仕組みです。屋根自体を冷却することで室内への輻射熱を抑制します。

井戸水などを活用できればランニングコストを抑えやすく、広い屋根面を効率的に冷却できる対策です。

倉庫の暑さ対策をしたい場合の解決事例をご紹介!

宇井氏イラスト画像

解説者:
宇井

段ボールの胴膨れリスクと、倉庫内の蒸し暑さを解消しました

倉庫の暑さは、輻射熱や空気の滞留によって奥へ行くほど熱がこもりやすくなります。
以下の事例では、風の流れを改善することで作業環境が快適になっただけでなく、湿気による「段ボールの胴膨れ」も解消され、保管品質が向上しました。

このように暑さ対策は働く人だけでなく、商品や作業効率にも影響します。
現場に合った方法を一緒に見直してみませんか。

お悩み解決事例
事例画像
導入製品:大型シーリングファン
気流改善で、暑さと品質の課題を
同時に解消

建物の片面にしかシャッターがないため風の通り道がなく、倉庫の奥側は熱や湿気がこもりやすい構造でした。暑さによる作業環境の悪化はもちろん、滞留した湿気が原因で段ボールが変形する「胴膨れ」も発生し、保管品質への悪影響が大きな課題に。

強制的に空気の流れを作るため、五常の大型シーリングファンを導入し、倉庫全体に風を届ける環境を整備しました。

その結果、風が循環することで奥側の暑さが解消され、快適に働ける環境に。湿気が一箇所に留まらなくなったことで段ボールの胴膨れも発生しなくなり、作業環境の改善と商品品質の向上を同時に実現しています。

関連記事
熱中症対策のお悩みを解消!
運営会社:株式会社 五常
暑熱環境・熱中症対策のプロフェッショナル
とことん親身に。どこまでも正直に。
現場の悩み、自分事として解決します

五常は単なる業者ではなく、お客様の現場課題を背負うパートナーです。
「何でも相談できる」安心感と、「必ず解決する」という執念。
この両輪で、暑熱環境・熱中症対策の課題をスッキリ解消へと導きます。