工場の電気代を削減したい
プロが解説
これまで累計400社以上の過酷な暑熱環境に向き合い、
改善をサポートしてきた「株式会社五常」営業部の宇井が、現場目線で分かりやすく
解説します。
工場の電気代が高くなりやすい背景には、設備稼働時間の長さや空調負荷の大きさなど、工場特有の要因があります。
本記事では、電力使用の内訳を整理しながら、電気代が増える理由と削減のポイントを解説し、LED照明の導入や空調管理など、現場で実践しやすいコスト削減策を紹介します。
工場の電気代が高くなる理由
24時間稼働する製造設備や広範囲を照らす照明、そして大空間を管理する空調など、工場はその運用特性から多くの電力を消費しやすい環境にあります。
さらに、世界的な燃料価格の高騰といった社会的要因に加え、設備の老朽化や運用の非効率、電力契約プランを長期間見直していないことなど、工場固有の事情が電気代を押し上げる要因となっています。
工場の電気使用の内訳
資源エネルギー庁の統計によると、2023年の工場における電気使用量の8割以上は生産設備が占めています。生産活動に直結するため、この領域での電力削減は現実的に難しいケースが多いのが実情です。
一方で、残りのおよそ2割を占める空調設備や照明などの電気設備は、運用や設備の見直しによって改善余地が残されている領域です。
これらを重点的に見直すことで、工場の規模や稼働状況によっては、月々の電気代を数十万円規模で削減できる可能性もあり、コスト対策として現実的なアプローチといえます。
工場の電気代を削減する方法
工場の電気代削減には、設備の更新による方法、運用の見直しによる方法、空調効率を高める補助的な対策など、いくつかのアプローチがあります。
LED照明への変更
従来の照明をLEDに交換することで、消費電力を大幅に削減でき、工場全体の電気代削減につながります。例えば、多数の蛍光灯をLEDへ更新した場合、稼働条件によっては年間で数十万円規模の削減効果が見込まれるケースもあります。
初期投資は一定程度必要ですが、使用時間が長い工場では比較的短期間で回収できることが多く、長期的なコスト削減効果が期待できるでしょう。ただし、削減効果は稼働時間や電気料金単価によって変動するという点には注意が必要です。
デマンドコントロールの実施
デマンドコントロールとは、工場全体の電力使用状況を常時監視し、契約電力の超過を防ぐ仕組みです。設定した使用量を超えそうになるとアラートを出したり、一部設備の運転を調整したりすることで、基本料金の上昇を抑えられます。
生産に支障を出さない範囲で設備稼働を調整することで、節電と電気料金の最適化を同時に図ることが可能です。
蓄電池の活用
蓄電池システムは、電気料金の平準化と非常時への備えを両立できる設備です。電気料金が比較的安い時間帯に充電し、昼間のピーク時に放電することで、電気代の削減につながります。
太陽光発電と組み合わせることで、自家発電した電力を貯めて必要なタイミングで使用でき、購入電力量の削減にも寄与します。
省エネ設備の導入
工場の電力消費の多くは、コンプレッサーやファン、ポンプといった高負荷設備が占めています。これらを省エネ性能の高い機器に更新することで、大きな節電効果が期待できます。
モーター効率を高めた設備では、運用条件によっては従来より電力使用量を大幅に抑えられる場合もあり、年間で数十万~数百万円規模の電気代削減につながるケースもあります。
空調機器の温度設定見直し
空調の設定温度を適正化するだけでも、電気代の削減効果が期待できます。一般的に、空調設定を夏は1℃高く、冬は1℃低くすることで、消費電力を抑えやすくなります。
特に大規模な空調設備を使用している工場では、設定温度の見直しによる影響が大きく、無理のない範囲での調整が有効です。
遮熱・断熱塗装
太陽光を反射する遮熱塗装や、外部からの熱の侵入を抑える断熱塗装は、工場の空調効率向上に寄与します。特に金属外壁やプレハブ構造の工場では効果を感じやすい対策です。
屋根や外壁への施工により、空調負荷が軽減され、条件によっては年間で数十万円規模の電力削減につながる場合があります。効果が長期間持続する点も特徴です。
ファンやスポットクーラーの併用
局所冷却に適したスポットクーラーと、空気を循環させるファンを併用することで、作業環境の改善と電力使用量の抑制を両立しやすくなります。
冷気を必要な場所へ効率よく届けることで、空調の過度な温度設定を避けつつ、電気代削減につなげることが可能です。
工場の電気代を削減したい場合の解決事例をご紹介!
ピーク時以外の「ファン単独稼働」で消費電力を抑制
工場の空調設備が老朽化し、冷却性能の低下と消費電力の増加が目立ってきていました。
しかし「更新しようとすると、費用が高額すぎて手が出せない…」という、コストが大きな課題に。
そこで、既存の空調を無理に入れ替えるのではなく、大型ファンの風で能力を補完する解決策をご提案。
大型シーリングファンを導入し、空調の冷風を効率よく循環させる仕組みを作りました。
その結果、ファンの気流効果で体感温度が下がり、既存の空調でも十分な涼しさへ。さらに、猛暑のピーク時以外は「ファンのみ」でも快適に過ごせるため、空調の稼働時間が激減。設備投資を抑えながら、電気代を削減しました。
現場の悩み、自分事として解決します
五常は単なる業者ではなく、お客様の現場課題を背負うパートナーです。
「何でも相談できる」安心感と、「必ず解決する」という執念。
この両輪で、暑熱環境・熱中症対策の課題をスッキリ解消へと導きます。
解説者:
宇井
電気代高騰の真因は「老朽化」以外にも…
まずは現場の「見えない無駄」に目を向けて
工場の電気代が高くなる原因は、設備の老朽化だけではありません。空調の使い方や、空気循環の悪さが「見えない無駄」を生んでいるケースも多いのです。 高額な設備更新を行わなくても、既存設備を活かし、気流や熱の動きを整えるだけで、消費電力の削減は可能です。
現場の状況や運用に合わせて、私たちが一緒に最適な削減方法を考えますので、お気軽にご相談ください。